.objファイル 【オブジェクトファイル】
概要
.objファイル(オブジェクトファイル)とは、ファイル名の拡張子に「.obj」を持つファイル形式。“obj” は「オブジェクト」(object)の略号で、複数の異なるファイル形式がこの拡張子を使っている。何らかの対象を記録したファイルや、元になる形式から変換したデータを収めたファイルなどを意味する。3Dモデルの.objファイル
3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)で用いる物体の形状データを記録するファイル形式の一つに.objファイルがある。米ウェーブフロント(Wavefront Technologies)社が開発したため「Wavefront OBJ形式」などとも呼ばれる。
三次元空間における物体(モデル)の形状を表すデータで、頂点の座標、物体表面を構成する面の情報、曲線や曲面を表すパラメータなどをテキスト形式で記述する。表面の色や質感(テクスチャ)などを記述したマテリアルファイル(.mtlファイル)を外部参照して関連付けることもできる。
元はWavefront社が自社の3DCG作成ソフトウェアで内部的に利用していたファイル形式だが、仕様が公開されており、他社の3DCGソフトウェアでも広く採用されたため、メーカーをまたいでモデルデータを交換する際に用いられる標準的なファイル形式の一つとなっている。
実行可能コードの.objファイル
ソフトウェア開発では、人間がプログラミング言語で記述したソースコードをコンパイラで機械語などのコード(オブジェクトコード)に変換し、実行可能ファイルを作成することがある。その際、実行ファイルに組み立てる前の断片的な機械語コードを収めたファイル(オブジェクトファイル)に「.obj」という拡張子を与えてファイルに保存する場合がある。
あるソースファイルをコンパイラによって機械語に変換しただけのファイルなどを意味し、通常はそれ単体で起動・実行することはできない。リンカなどで他の.objファイルや起動に必要なコードを連結することで実行可能ファイル(Windowsであれば.exeファイルなど)を組み立てることができる。
(2022.1.31更新)