Zバッファ法 【Z-buffering】 深度バッファ法 / depth buffer / デプスバッファ法

概要

Zバッファ法(Z-buffering)とは、3次元グラフィックス(3DCG)の描画処理で視点から見て隠れている部分を除外する手法の一つで、各画素に奥行きに関する情報を持たせ、重なり合う位置にある画素同士の奥行きを比較して手前のものだけを描画する手法。奥行き情報を保持するメモリ領域を「Zバッファ」という。

3DCGを平面に描画するには空間内に配置した物体の頂点や境界線、表面のうち、視点側から見えている部分だけを描画し、手前にある他の物体などに隠されて見えない部分の描画を省略する必要がある。そのような処理を「隠面消去」と呼び、Zバッファ法はその手法の一つである。

描画する画面全体の個々の画素について奥行きに関するデータを保持する一時的な記憶領域(Zバッファ)を設ける。個々の物体の情報を計算する際に該当する画素を参照し、自らが最も手前であれば描画し、より手前の物体のがすでに設定されていればスキップする。これを繰り返せば、どの画素も視点側から見て最も手前の物体の情報が設定されることになる。

他手法に比べアルゴリズムが比較的単純でハードウェアなどを用いて高速化しやすいが、画面全体についてバッファを確保するため大きなメモリ領域を必要とする。また、半透明な物体の透過処理などは苦手である。家庭用ゲーム機やビデオカードにはZバッファ法に対応した描画機能を搭載しているものが多くある。

(2024.3.30更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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