平均ビットレート 【ABR】 Average Bit Rate
データを連続的に処理・伝送する際に、単位時間あたりのデータ量のことを「ビットレート」(bit rate)という。音声圧縮や動画圧縮では、再生時間1秒あたりに必要なビット数を「bps」(bit per second:ビット毎秒)で表す。この値が大きいほど画質や音質が良く、動画の場合は画素数を多くすることができる。
全体が常を同じビットレートで表現する方式を「固定ビットレート」(CBR:Constant Bit Rate)、内容の複雑さや変化の激しさなどに応じてビットレートが上下する方式を「可変ビットレート」(VBR:Variable Bit Rate)あるいは「変動ビットレート」という。
固定ビットレートは事前に全体のデータ量や必要な伝送速度が分かるが品質が安定せず、可変ビットレートは品質は安定するがデータ量や速度は事前に予測できないというトレードオフの関係にある。平均ビットレートは両者の中間的な方式で、全体の平均は特定にビットレートに収めつつ、各箇所の複雑度に応じて一定の範囲でビットレートを変動させる。
可変ビットレートのように品質を安定させつつ、固定ビットレートのように必要なデータ量を予見可能にすることができる。ある箇所で超過したデータ量を別の箇所で同じだけ削減するなど、データ全体を見渡して帳尻を合わせる必要があるため、圧縮処理が複雑になり時間がかかる難点がある。
(2024.6.20更新)