音声認証 【voice authentication】 声紋認証 / 声認証
人の声は様々な周波数の音波の組み合わせでできており、同じ言葉を発しても人によって周波数成分の強度の分布や時間による変化の仕方に固有の特徴が現れる。声を収録した音声データに一定の計算を行い個人ごとの特徴量を抽出したものを声紋(voiceprints)と呼び、これを照合することで本人確認を行うことができる。
マイクに向かってある程度の長さの言葉を話すことにより認証を行うため、電話越しやビデオ通話越しなど、通信回線を通して遠隔で認証することもできる。また、カメラやセンサーを用いる他の生体認証と異なり体の部位をスキャンする必要がないため、人によっては心理的な負担や圧迫感を軽減できる。認識精度はあまり高くないため、単独で保安上の用途に用いることはほとんどない。
よく用いられる認証システムでは、あらかじめ決められた短い言葉(1秒以下から数秒程度)を話して解析する方式と、どのような内容でもいいので比較的長い時間(十数秒程度)話して解析する方式があり、両者を選択できるようになっている製品も多い。後者の方式は、会話をしながらその音声を用いて並行して認証を行うといった他の方式では難しい認証方法が可能である。
(2018.7.10更新)