プログレッシブJPEG 【progressive JPEG】

概要

プログレッシブJPEG(progressive JPEG)とは、静止画像データ形式の一つであるJPEGの拡張仕様の一つで、各領域の色情報を分割して数回に分けて記録することで、先頭から一部のデータを表示するだけで全体像が見渡せるようにしたもの。また、そのような形式で記録されたJPEG画像ファイル。

JPEGでは画像を8×8ピクセルの正方形の領域(ブロック)に分け、ブロックごとに色情報を記録していく。通常のJPEG形式ベースラインJPEGと呼ばれる)では、各ブロックのすべての色情報を端から順番に記録していく。データを読み込みながら表示すると、上端から完全な画像が下に向かって少しずつ表示されていく。

一方、プログレッシブJPEGでは色情報をいくつか(保存時に指定できるが通常は3つ)に分割し、先頭に全ブロックの一部の色情報を、続いて残りの色情報の一部を、という具合に何段階かに分けて記録する。データを読み込みながら表示すると、最初にぼんやりと全体像が現れ、読み込みが進むに従って次第に鮮明化していく。

同じ画像、同じ圧縮率のプログレッシブJPEGとベースラインJPEGで品質やデータ量は変わらず、どちらを選んでも最終的には同じ画像が表示される。インターネット普及の初期には電話回線など低速の回線が多く、Webページに掲載する画像などを素早く見えるようにするため多用されたが、現在は画像の読み込みに時間がかかる状況は少なくなったため必要性は薄れている。

(2023.9.11更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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