タイムスライス 【time slice】 タイムクォンタム / time quantum / タイムスライシング / time slicing
概要
タイムスライス(time slice)とは、一台のコンピュータを同時に複数の主体で利用できるよう、処理時間を非常に短い時間で均等に分割したもの。マイクロプロセッサ(CPU/MPU)の使用時間をミリ秒やマイクロ秒単位といった極めて短い時間に分割し、実行中のプログラムに順番に割り当てる。
各プログラムはCPUを占有することはできず性能は低下するものの、先に実行されたプログラムの終了を待つことなく、並行して同時に実行することができる。これは複数人が同時にコンピュータを使いたいときに特に便利である。
古くはメインフレーム(大型汎用機)のタイムシェアリングシステム(TSS:Time Sharing System)などで用いられてきた手法で、現代では多くのオペレーティングシステム(OS)がマルチタスク(multitasking)機能として標準で対応している。
ちなみに、通信において伝送路を複数の通信主体や通信方向(送信・受信/上り・下り)で共有するため、通信時間を短く分割して順に割り当てたものは「タイムスロット」(time slot)という。
映像効果のタイムスライス
映像の特殊効果の一つで、被写体はスローモーションだがカメラワークやカメラアングルは高速で移動・変化するような手法のことをタイムスライスあるいは「バレットタイム」(bullet time)という。
映画の撮影などでは十数台~数十台のカメラを並べて同時に撮影し、少しずつ繋ぎ合わせることでこのような効果を得ることができる。一台でタイムスライス効果を実現する特殊なカメラも開発されている。
画面内の光景をスローモーションでゆっくり動かしながらカメラは通常のシーンと同じような動きにすることができ、劇的な一瞬を切り取りつつ同時に臨場感やスピード感を表現することができる。
(2020.3.25更新)