ハードウェアデコード 【hardware decoding】
概要
ハードウェアデコード(hardware decoding)とは、データ圧縮などで特定の形式に符号化されたデータを元の状態に戻すデコード処理を専用のハードウェアで行うこと。動画データの再生などを行う際に、その処理に特化した回路を実装したICチップなどを用いる方式。アナログ信号を記録したデジタルデータから元の信号への逆変換、圧縮されたデータの展開、暗号化されたデータの復号など、特定の形式でエンコード(符号化)されたデータを逆方向に変換し、元のデータや信号に戻す操作を「デコード」(decoding)という。
このデコード処理を専用のハードウェアによって行う方式をハードウェアデコード、汎用のハードウェア上でコンピュータプログラムによって行う方式を「ソフトウェアデコード」(software decoding)という。
ハードウェアデコードは処理速度が高速で、CPUの処理を肩代わりして負荷を軽減することができるが、設計時に組み込まれた特定のデータ形式にしか対応できず、後から他の形式に対応させることはできない。コンピュータとしての性能が必ずしも高くなく、あらかじめ決められた特定のデータ形式にのみ再生すればよいデジタル家電などの機器でよく用いられる方式である。
ハードウェアデコーダ (hardware decoder)
デコード処理を行うための専用の装置や機器のことを「ハードウェアデコーダ」(hardware decoder)という。ICチップなどの形でデコード機能が実装されており、デジタル家電などの組み込み機器ではこれを基板に直に実装することもあるが、パソコンなど汎用のコンピュータ製品ではチップを搭載した拡張カードや周辺機器などを用いる。
一つのデータ形式にしか対応できない製品もあるが、形式ごとに異なるICチップを実装するなどして複数の形式に対応している製品もある。元になるデータを特定の形式で符号化(エンコード)する「ハードウェアエンコーダ」(hardware encoder)も兼ねているものは「ハードウェアコーデック」(hardware codec)という。
(2024.6.23更新)