デジタル化
パソコンやスマートフォンなどの電子機器、構内ネットワーク(LAN)やインターネットなどのコンピュータネットワーク、Webサイトやネットサービスなどを駆使し、情報の作成や取得、保管、加工、伝送をデジタルデータの状態で行うようにする。
ビジネスや何らかの組織的な活動についてデジタル化という場合、その目的やデジタル技術の活用度合いなどに応じて何段階かに分類される。一般的にはアナログに近い方から順に「デジタイゼーション」(digitization)、「デジタライゼーション」(digitalization)、「デジタルトランスフォーメーション」(digital transformation)の3段階に整理することが多い。
デジタイゼーション (digitization)
情報の形態や形式を紙面などの物体やアナログ形式からコンピュータ上のファイルなどデジタル形式に置き換えることを「デジタイゼーション」(digitization)という。
例えば、書類をイメージスキャナで取り込んで画像ファイルやPDF文書などに変換して保存したり、FAXや郵便の代わりに電子メールを導入することなどが該当する。情報の保管や伝送がデジタル技術に置き換わり効率化やコスト削減などを進める効果はあるが、ビジネスの仕組みや業務手順などはアナログ時代と特に変わらない。
デジタライゼーション (digitalization)
単なるデジタルへの置き換えに留まらず、業務プロセスをデジタル技術を前提としたものに変革することを「デジタライゼーション」(digitalization)という。
例えば、製品をECサイトで販売したり、書類の伝票を挟まずにシステム間の通信で受発注を行ったり、蓄積したデータを解析ツールなどで分析し、企画や意思決定などに反映させることなどが該当する。アナログ時代には不可能だったようなこともできるようになり、事業や製品の様態も大きく変革される。
デジタルトランスフォーメーション (DX)
デジタライゼーションを更に推し進め、業務手順などに留まらず事業の仕組みや製品、組織の在り方などをデジタルに合わせて根本的に作り直すことを「デジタルトランスフォーメーション」(DX:Digital Transformation)という。
例えば、映画やテレビ番組のような動画コンテンツを制作して定額でネット配信する動画配信サービス、CDやダウンロード販売に代わって楽曲を定額聴き放題で提供する音楽ストリーミングサービス、通信端末で利用するキャッシュレス決済サービスなどは、既存のビジネスの仕組みやインフラを前提とせず、デジタルで完結する新しいモデルで事業を展開している。