VRAM 【video RAM】 ビデオメモリ / video memory / グラフィックメモリ / graphics memory / ビデオRAM

概要

VRAM(video RAM)とは、コンピュータなどに内蔵される半導体記憶装置(メモリ)の一種で、画面に表示される内容を保持するためのもの。メインメモリの一部を流用する方式(UMA)と、ビデオカードなどに専用のメモリ装置を設ける方式がある。

ディスプレイプロジェクタなどで映し出される画面は縦横に規定の数だけ規則正しく並んだ色の付いた小さな点(画素/ピクセル)の集合として表される。コンピュータ内部ではVRAMに表示内容が記憶されており、表示装置へ毎秒数十回という頻度で全体が転送され、画面に反映される。

画面上に文字や画像などを描画したり、その内容を書き換えたりする処理は、実際にはVRAM上の対応する位置(番地)のデータを書き換えることによりわれる。文字の出力ハードウェア処理だった時代には、画素単位ではなく文字単位で表示内容の指定をう「テキストVRAM」もあった。

他の用途

映像を再生する際などに表示を円滑にするため、VRAMに2画面分(あるいはそれ以上)のデータを保持して書き換えと転送を並列にう「ダブルバッファリング」(double buffering)という手法が用いられることがある。

GPUGraphics Processing Unit)などでは、画面の表示内容だけでなく、3次元グラフィックス3DCG)の描画処理などに必要なデータを一時的に保存しておくのにVRAMを利用することもある。VRAMの容量は表示可能な画面サイズや同時発色数の上限や、3DCGの処理速度などに大きく影響する。

規格

VRAMの記憶素子としては、高速に書き換え可能で電源を落とすと内容が失われる「DRAM」(Dynamic RAM)が用いられる。これはコンピュータメインメモリに用いられるのと同じ種類のメモリ装置である。

パソコンメインメモリ向けのDRAM規格として「DDR SDRAM」や後継のDDR2DDR3DDR4DDR5などの規格があり、これをそのままVRAMとして搭載することもあるが、メインメモリグラフィックスメモリでは求められる特性が異なるため、VRAM用の「GDDR」(Graphics DDR)という規格が定められている。DDRと同じようにGDDR2、GDDR3、GDDR4、GDDR5、GDDR6などの世代がある。

(2024.1.30更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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