ユニファイドメモリ 【UMA】 Unified Memory Architecture
概要
ユニファイドメモリ(UMA)とは、コンピュータのメインメモリ(DRAM)をCPUだけでなく他の装置でも同じように使用できるようにする仕組み。VRAMなどを搭載する必要がなくなり低価格化が可能なほか、CPUとGPUが同じ領域を共有できる場合は性能向上も期待できる。パソコンなどの一般的な設計ではメインメモリ用のDRAMはCPUが独占的に利用し、GPUなど他の装置がメモリを必要とする場合はビデオカードなどに専用のDRAMチップを別に搭載するのが一般的となっている。
ユニファイドメモリではメインメモリをCPUやGPUが共有し、それぞれが利用する区画を区切って使用する。ビデオメモリ(VRAM)などの部品を削減できるため製造コストを削減できるが、メモリ領域の一部をVRAMなどに転用するためプログラム実行のために使用できる容量は減ってしまう。
システムに単体のGPUを搭載せず、チップセットやCPUにグラフィックス機能(iGPU)を内蔵したSoC型の機種で採用されることが多い。グラフィックボードなどに搭載される専用のメモリ(GDDR系など)はGPU用に特化した設計となっているため、CPU向けのメモリを転用するユニファイドメモリは性能上も不利となる。
近年では米アップル(Apple)社がMacシリーズに搭載しているCPU、GPU一体型のSoC(System-on-a-Chip)である「Apple Silicon」シリーズがユニファイドメモリを採用している。CPUのICパッケージ内にDRAMチップを固定的に組み込み、CPUとGPUで同じ領域を共有するなど性能と効率を重視した設計となっている。ただし、DRAMモジュールを共有する方式と異なり、製造時の容量から拡張することはできない。
(2024.8.1更新)