フルカラー 【full color】
概要
フルカラー(full color)とは、画像などに使われる色の種類・範囲を表す用語の一つで、原色を混合して様々な種類の色を表現できること。特に、RGBの各色を8ビットで表し、24ビットで色情報を表現する方式のこと。コンピュータで色を表現する場合、光の三原色である赤・緑・青(RGB:Red Green Blue)の各色の強度を数値で表し、これを組み合わせて一つの色を表現する方式が用いられることが多い。各色4ビットなら4096色、各色8ビットなら1677万7216色を表すことができる。
しかし、かつてのコンピュータは8色、16色、256色といった同時発色数の制約があったため、必要な色を選んで番号をつけ、各画素にはRGB形式の色情報ではなく色番号で色を指定していく「インデックスカラー」(パレットカラー)が用いられていた。現代でもGIF画像などはこの方式で色を指定する。
この方式と対比して、RGB形式の色情報を各画素に直に指定できる方式を「フルカラー」と呼ぶようになった。このため、初期のフルカラー表示は各色4ビット(16階調)の12ビットカラー(4096色)、各色5ビット(32階調)の15ビットカラー(32768色)、緑のみ6ビットとした16ビットカラー(65536色)などの種類があった。
コンピュータやディスプレイの性能が向上し、各色8ビット(256階調)の24ビットカラー(約1677万色)を表示できるようになると、人間の目にはほぼ自然な色彩に感じられるようになったため、これを指してフルカラーと呼ぶようになった。初期の様々なフルカラー方式と区別するために、24ビットカラーを「トゥルーカラー」(true color)と呼ぶこともあったが、この呼称はほとんど用いられなくなっている。
24ビットのフルカラー表示は通常使用する範囲では人間の目にはほとんど色の違いがわからないほど自然な表現が可能なため、コンピュータや録画・撮影機器、表示機器、および画像データや動画データは、フルカラーを取り扱える最大の色数とするものが多い。ただし、用途によってはより詳細な色表現を要する場合もあり、業務用の機器やソフトウェアなどでは各色10~16ビットの方式が用いられることもある。