SACD 【Super Audio CD】 スーパーオーディオCD
概要
SACD(Super Audio CD)とは、光ディスクの規格の一つで、12cmの樹脂製ディスクにコンパクトディスク(CD:Compact Disc)以上の高音質の音声データを記録する方式。CDとの互換性はないが、両対応にすることはできる。CDと同じサイズの直径12cm、厚さ1.2mmの中心に穴の空いた円盤状の記憶媒体を利用し、片面が記録面、片面がレーベル面となっている。深さの異なる2層の記録層を形成することが可能で、SACDとして利用する場合は1層あたり4.7GB(ギガバイト)を記録できる。
左右2チャンネルのステレオ音声か、最大5.1チャンネルのサラウンド音声(オプション)を記録できる。1層記録(シングルレイヤー)では最長109分まで記録でき、2層記録(デュアルレイヤー)ではその2倍の長さを記録することができる。トラック数は255まで。
1層目をCD、2層目をSACDとするハイブリッドディスクとすることもでき、その場合は同じ音声をそれぞれの規格で符号化し、最長74分まで記録できる。CD対応機器ではCDとして再生でき、SACD対応機器では高音質を楽しめる。
音声信号のデジタルデータへの変換は、広く普及しているPCMではなくDSD(Direct Stream Digital)という方式を採用し、量子化ビット数1ビット、サンプリング周波数2.8224MHz(メガヘルツ)でデジタル化する。120dBのダイナミックレンジと100kHzを以上の周波数特性を実現している。圧縮方式もステレオの場合は非圧縮、サラウンドでも音質を損なわない可逆圧縮が採用されている。
著作権保護に重点を置いており、暗号化と特殊なピット形状の採用、物理的な「透かし」技術などにより、媒体の複製やデータの抜き取り(リッピング)を困難にしている。パソコン向けの単体のドライブ製品は製造が許可されず、許諾を得た正規メーカーのプレーヤーでのみ再生できる。
(2022.6.3更新)