ナイキスト周波数 【Nyquist frequency】

概要

ナイキスト周波数(Nyquist frequency)とは、あるアナログ信号を標本化(サンプリング)する際、サンプリング周波数の半分の周波数のこと。正しく再現できる最大の周波数を意味する。

連続的なアナログ信号を離散的なデジタル信号で表すには、アナログ信号を一定の周期で測定し、測定値をデジタルに変換して記録するという手法が用いられる。このとき、信号を測定することを標本化sampling)と呼び、単位時間あたりの標本化回数(周期の逆数)をサンプリング周波数という。

1928年にハリー・ナイキスト(Harry Nyquist)が予想し、その後何度か独立に証明された標本化定理サンプリング定理/ナイキストの定理)によれば、ある周波数の信号を標本化し、正しく再現できるようにするためには、元の信号の2倍以上のサンプリング周波数が必要となる。

例えば、人間の耳が聞き取ることができる可聴音は概ね20kHzキロヘルツ)程度までとされており、40kHz程度かそれ以上の周波数サンプリングすれば、再生時にほとんど元の音を再現することができる。サンプリング周波数が40kHzのとき、その半分にあたる20kHzをナイキスト周波数という。

ナイキスト周波数を超える信号をサンプリングすると、エイリアシング折り返し雑音)と呼ばれる疑似的な信号が生じることが知られている。例えば、40kHzサンプリングされた標本列には30kHzの信号が10kHz(40-30)の擬似的な信号として現れており、元からある10kHzの信号と区別がつかなくなる。

(2023.6.6更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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