コンソール 【console】 操作卓
概要
コンソール(console)とは、制御盤、操作卓などの意味を持つ英単語。大型機械や電子機器などの操作や監視のための装置を一か所に集めた盤状あるいは卓状の装置のこと。転じて、コンピュータの入出力装置や、文字の入出力による対話的な操作システム、オペレーティングシステム(OS)を操作・制御する画面などを表す。コンピュータの場合には、一台のコンピュータに直に繋がれた入出力装置のセットを指すことが多い。もとは大型コンピュータを制御するスイッチやつまみ、計器類などが配された制御盤や制御卓をパイプオルガンの演奏台(console)になぞらえてこのように呼ぶようになったとされる。後にディスプレイ装置とキーボードの組み合わせが一般的になった。
時代が下り、通信回線やネットワークを通じてコンピュータに複数の入出力装置(のセット)を繋ぎ、データの表示や入力、プログラムの操作ができるようになると、こうした遠隔から接続するための機器を「ターミナル」(terminal:端末)と呼ぶようになった。
コンソールとターミナルは機能や役割が近く、文脈によってはほぼ同義語の場合もあるが、ターミナルは一般利用者がコンピュータで作業するためのもの、コンソールは本体に直接繋がれ、管理者がハードウェア(BIOSやファームウェアなど)やOSの特権的な利用モードでシステムの中枢を管理・制御できるものとして区別されることがある。
ユーザーインターフェースとしてのコンソール
ディスプレイとキーボードを用いるコンソール装置が普及すると、利用者が決まった語彙や書式に従って文字列を入力してコンピュータに指示を与え、コンピュータは処理結果を画面に文字で表示するという操作スタイルが一般的になった。
この方式は現代では「CUI」(Character User Interface:キャラクタユーザーインターフェース)あるいは「CLI」(Command Line Interface:コマンドラインインターフェース)と呼ばれる。ソフトウェアの機能の一部として、このような文字による対話的な操作画面を実装したものを指してコンソールという場合もある。
ビデオゲームコンソール
日本ではビデオゲームを遊ぶことができる専用コンピュータ製品を「ゲーム機」あるいは用途によって「家庭用ゲーム機」「アーケードゲーム機」などと呼ぶが、英語ではこれを “video game console” と呼び、そのような機器向けのゲームソフトを “console game” という。据え置き型は “home console” 、携帯ゲーム機は “handheld game console” とも言う。
日本では「ゲーム機」という呼称が早くから定着したため外来語として「コンソール」と呼ぶことは稀だったが、外資系メーカーなどがパソコン向けゲームタイトルのゲーム機向け移植版を「コンソール版」などと呼んだり、任天堂が最新型のゲーム機で過去の機種のゲームを遊べる機能を「バーチャルコンソール」と呼ぶなど、一定の認知度を得つつある。