mvコマンド 【move command】

概要

mvコマンド(move command)とは、主にLinuxなどのUNIX系OSで標準的に使用されるコマンドおよびプログラムの一つで、ファイルディレクトリを移動(ムーブ)あるいは改名(リネーム)するコマンド。“mv” は “move” の略。

基本的な書式は「mv オプション 移動元 移動先」で、移動元から移動先へファイルディレクトリを複製し、元の場所から消去する。ファイルの場合、移動先にディレクトリを指定するとそこに同じ名前で移動されるが、移動先にもファイル名を指定すると改名して移動される。移動先が同じでファイル名が異なる場合はファイルは移動されずに改名される。

複数のファイルスペースで区切って列挙し、末尾に移動先を指定するとまとめて移動される。移動元の指定には、任意の文字列に一致するワイルドカード「*」を使用することができる。例えば、「*.txt」とすれば拡張子が「.txt」であるすべてのファイルが対象となる。

主なオプションとして、移動先に同名のファイルがある場合、強制上書きする「-f」、上書きするか確認する「-i」、移動先の方が古い場合のみ上書きする「-u」、上書きされるファイルバックアップを作成する「-b」などがある。

ちなみに、ファイルなどを元の場所に残しつつ複製したい場合はcpコマンドcopy)を、指定したファイルリンクを作成したい場合はlnコマンドlink)を用いる。Windowsでは似た機能のコマンドとして、moveコマンド(移動)およびrenコマンド/renameコマンド(改名)が用意されている。

(2023.7.22更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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