md5sumコマンド
概要
md5sumコマンドとは、主にLinuxなどのUNIX系OSで標準的に使用されるコマンドの一つで、指定の入力データ(通常はファイル)からMD5ハッシュ値を算出して表示するもの。ファイルの整合性検証などのために用いられる。MD5はハッシュ関数と呼ばれる計算手順の一つで、どんな長さのデータからも128ビット固定長のハッシュ値を算出する。ハッシュ値は同じ入力値からは必ず同じ値が得られる一方、わずかでも入力値が異なるとまったく違う出力値になるという特徴がある。
md5sumコマンドは指定されたファイルの内容からMD5ハッシュを計算するコマンドで、基本的な書式は「md5sumコマンド ファイル名」である。結果は「7f138a09169b250e9dcb378140907378 ファイル名」のように16進数32文字のハッシュ値、スペース、ファイル名という形式で出力される。
ファイル名はスペース区切りで複数指定することができ、結果が1行に1つずつリスト形式で出力される。このリストは後で整合性のチェックに用いることができる。「md5sumコマンド」だけで実行すると文字入力モードになり、Ctrl+Dで終了すると入力した文字列から算出したハッシュ値が表示される。
主なオプションとして、ファイルをバイナリファイルとして扱う「-b」、テキストファイルとして扱う「-t」、以前に作成したハッシュ値のリストと現在のファイルから算出した値が一致するか確かめる「-c」などがある。ファイルの保存や送受信の後で「-c」オプションを実行することにより、内容の欠落や変更、改竄などが行われていないか確かめることができる。
(2024.6.28更新)