chrootコマンド 【change root】

概要

chrootコマンド(change root)とは、主にUNIX系OSで用いられるコマンドおよびプログラムの一つで、現在のシステムルートディレクトリを指定したディレクトリに変更するもの。

UNIX系システムでは、ストレージを含む様々なシステム上の資源を、ルートディレクトリ「/」を起点とする階層構造のファイルシステムで管理している。chrootコマンドを実行すると、指定した任意のサブディレクトリを新たなルートディレクトリとすることができる。

例えば、あるユーザーホームディレクトリに作成した「/home/john/test」といったディレクトリへchrootコマンドすると、プログラムはそこを起点としてファイルの作成や読み込みといった動作をうようになる。このディレクトリ階層より下へはアクセスできるが、他の上位階層などディレクトリへはアクセスできない。

ソフトウェア開発などの際に、実際のシステム環境から仕切られた仮想的ディレクトリ環境を用意し、実際と同じパス指定を用いて動作検証うことができる。また、サーバソフトウェアなどをchrootコマンド下で動作させることにより、外部からアクセスしてきた利用者システムの乗っ取りなどを企てる攻撃者が指定されたディレクトリ外へアクセスできないようにするといった使い方もできる。

(2020.10.30更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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