読み方 : エンブコマンド

envコマンド

概要

envコマンドとはLinuxなどのUNIX系OSで標準的に用いられるコマンドの一つで、現在の環境変数の一覧を表示したり、特定の環境変数を一時的に変更した状態で別のコマンドを実行したりするもの。環境変数の値を恒久的に書き換えるわけではなく、指定したコマンドの実行中のみ変更が有効となる。
envコマンドのイメージ画像

環境変数とは、オペレーティングシステム(OS)が保持する名前付きの変数で、プログラムの動作に影響を与える各種の設定値を格納している。利用者のホームディレクトリを示す「HOME」、実行ファイルの検索パスを示す「PATH」、使用言語やロケールを示す「LANG」など様々な種類がある。これらの値はプロセスの起動時に引き継がれ、アプリケーションはこれを参照して動作を決定する。

envコマンドの基本的な書式は「env オプション 変数名=値 コマンド」で、指定した変数をその場で上書きしたうえで、続くコマンドをサブプロセスとして起動する。例えば、「env LANG=C ls」と実行すると、lsの出力メッセージだけを英語表示にできる。この変更は現在のシェル自体の環境には影響しないため、システム全体の設定を変えずに動作検証を行える。

「-i」オプションを付けると環境変数を一切引き継がない空の環境でコマンドを起動でき、「-u 変数名」オプションでは指定した変数が存在しない状態でコマンドを実行できる。引数なしで実行すると、現在有効な環境変数をすべて「変数名=値」の形式で一覧表示する。printenvコマンドも同様の目的で使われるが、envは他のコマンド実行との組み合わせにも対応しているため用途が広い。

スクリプトファイルのシェバン行でもenvコマンドが利用されることがある。ファイル先頭に「#!/usr/bin/env python3」のように記述すると、python3の実際のインストールパスに依存せずPATHを通じてインタプリタ探索するため、異なる環境間での移植性が高まる。PythonPerlRubyなど、インストール先がOSによって異なるインタプリタでよく使われる記法である。

(2026.5.25更新)
 

主なLinuxコマンド

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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