rsyncコマンド 【remote synchronization】
概要
rsyncコマンド(remote synchronization)とは、主にUNIX系OSで用いられるコマンドおよびプログラムの一つで、ネットワークを通じて他のコンピュータとの間でファイルやディレクトリの同期を行うもの。ネットワーク上の他のホストとの間で、指定したパスのファイルやディレクトリを複製する。単純なコピー系のコマンドとは異なり、送信側と受信側で内容が一致するファイルやファイル内のデータは転送しない。前回の同期から追加、変更された部分のみを効率よく複製することができる。
相手(リモート)側のパスの指定はrcpやscpなどと同様に「ユーザー名@ホスト名:パス」という形式で記述する。パスはリモートシステム上での当該ユーザーのホームディレクトリが起点となる。コンピュータ内部で装置間やディレクトリ間の同期に用いることもできる。
受信側のコンピュータではrsyncコマンドによる実行を受け付ける常駐プログラムが必要で、これを「rsyncd」(rsync daemon)という。標準ではTCPの873番ポートで接続を受け付ける。SSHなどを介して使用することもできる。
最初のバージョンは1996年にアンドリュー・トリジェル(Andrew Tridgell)氏らが開発した。GPL(GNU Public General License)に基づいてオープンソースソフトウェアとして公開されており、多くのLinuxディストリビューションを含むUNIX系OSで標準コマンドの一つとして採用されている。
(2020.9.29更新)