IIS 【Internet Information Services】 Microsoft IIS

概要

IIS(Internet Information Services)とは、米マイクロソフト(Microsoft)社のサーバ向けオペレーティングシステム(OS)製品である「Windows Server」シリーズに同梱されているWebサーバソフトウェア。世界的に広く普及しているWebサーバの一つ。

主要な機能はWebサーバだが、インターネットなどのIPネットワークで利用される様々なサービスを提供する総合的なサーバソフトと位置づけられている。FTPサーバ機能を内蔵しているほか、初期にはSMTPサーバとして電子メールを送信したりNNTPを用いてNetNewsを送受信することもできた(現在は廃止)。

同社の他のサーバソフト群と同じように、Windows Serverデスクトップ画面からグラフィカルな表示・操作(GUI)で設定が行える管理ツールが提供されており、案内に従ってマウス操作や設定値の入力などを行うことにより大半の管理や設定などの作業を進めることができる。

拡張機能

Webサーバとしての基本的な機能に加えて、SSL/TLSによる暗号化や、WebDAVによるWebブラウザからのコンテンツ更新、CGISSIによる動的Webページの生成などに対応している。同社の「SQL Server」などデータベース管理システムDBMS)と連動させることもできる。

また、独自の拡張仕様として「ASP」(Active Server Pages/クラシックASP)や「ASP.NET」などのアプリケーション実行環境も備え、Windowsや.NETの機能を十全に利用した高度なWebアプリケーション開発運用が可能となっている。

ISAPI」(Internet Server API)と呼ばれる外部にAPIを公開しており、Windowsプログラミング環境を用いてIISに機能を追加したり動作を変更する「ISAPIフィルタ」(ISAPI Filters)や「ISAPI拡張」(ISAP Extensions)と呼ばれるモジュール開発することができる。

歴史

最初のバージョン(IIS 1.0)は1996年のWindows NT 3.51の追加機能として提供されたもので、以降、Windows NT 4.0 Server、Windows 2000 Server、およびWindows Serverの各バージョンに標準機能として内蔵され続けている。初期には「Internet Information Server」が正式名称だったが、Windows 2000に同梱されたバージョン5.0から「Internet Information Services」に変更された(略称はIISで変わらず)。

デスクトップ向けのWindows XP/Vista/7/8/10などでは上位エディション(ProfessionalやEnterprise、Home Premiumなど)で利用できるが、同時接続数が3~10に制限されるなど大規模には利用できないようになっている。また、システム導入直後の初期状態では有効になっておらず、利用者が後から有効にする必要がある。

(2024.1.29更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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