端数処理 【丸め処理】 rounding
概要
端数処理(丸め処理)とは、長い桁の数から、特定の短い桁の概数を求めること。「丸め処理」「丸め」とも言う。規定の桁数を超える部分をどう扱うかによっていくつかの方法がある。例えば、「123.45」という数値を整数に丸める場合、整数部分だけを残して「123」とする処理を「切り捨て」、小数部分を「1」とみなして「124」とする処理を「切り上げ」という。また、小数部分が0.5以上なら切り上げ、0.5未満なら切り捨てる処理を「四捨五入」という。
負数を丸める場合、「-1.5の切り捨て」を絶対値の小数部分を切り捨てて「-1」とするか、正数と同じ方向に値を減らして「-2」とするか考え方が分かれる。通常は前者を採用するが、正確に伝えたい場合は前者を「0への丸め」、後者を「負の無限大への丸め」と呼ぶことがある。
切り上げについても、絶対値に着目して「-1.5」を「-2」とする考え方を「無限大への丸め」、値の増減に着目して「-1.5」を「-1」とする考え方を「正の無限大への丸め」という。四捨五入は正数と同じく最も近い値に丸めるのが原則だが、コンピュータでは端数がちょうど0.5の場合の処理が処理系によって異なる場合がある。
切り上げ、切り捨て、四捨五入の他にも、四捨五入で端数がちょうど0.5の場合は結果が偶数になるように丸める「偶数への丸め」、端数が0.5の場合に奇数になるように丸める「奇数への丸め」、端数0.5までは切り捨てて0.5よりも大きければ切り上げる「50捨51入」などもある。
プログラミング言語や表計算ソフトなどでは、四捨五入を表す関数名やメソッド名には「round」が、切り上げには「ceil」(「天井」の意)または「roundup」が、切り捨てには「floor」(「床」の意)あるいは「rounddown」が用いられることが多い。
(2023.10.25更新)