リンク 【link】

概要

リンク(link)とは、繋げる、繋がり、結びつける、結びつき、連結(する)、連係(させる)、接続(する)、結合(する)、関連(させる)、絆、輪、環などの意味を持つ英単語。網状の構造物(ネットワーク)において、構成要素(ノード)間を結びつける線や経路のことをリンクあるいはエッジ(edge)という。

ハイパーリンク (hyperlink)

Webの分野では、ある文書の中に記述された、別の文書など何らかの情報資源の所在を指し示した要素のことを「ハイパーリンク」(hyperlink)と呼び、これを略してリンクという。

資源の所在はURL/URIと呼ばれる統一された記法が用いられ、Webサイト内に別のWebページや、インターネット上の別のWebサイト上のページ、ローカルファイル、電子メールアドレスなど様々な対象を指し示すことができる。

Webブラウザ上では何らかの表示要素(文字や画像など)の付加的な属性として扱われ、マウスポインタを合わせてクリックタッチスクリーンの場合は指先やペン先でタップ)すると、指し示した先の資源を読み込んで表示が切り替わる。

通信機器間のリンク

通信ネットワークの分野では、一対の機器の間などで信号やデータを送受信できる状態にある回線や伝送路のことをリンクということがある。

機器間で物理的に信号の送受信が可能で、一定の伝送手順に従って特定の形式のまとまった単位のデータフレームセルデータグラムなど)を互いに伝送するすることができる状態を指す。このような接続状態を確保することを「リンクする」「リンクを確立する」などと表現することがある。

通信手順や仕様を階層化したモデルでは、何らかの物理回線上でリンクを確立してデータを伝送するための伝送手順や伝送形式を定めた階層のことを「リンク層」あるいは「データリンク層」という。物理層第1層)とネットワーク層第3層)の中間であるため「第2層」(L2Layer 2)とも呼ばれる。リンク層の技術規格としてEthernetWi-FiPPPなどがよく知られる。

ファイルシステムのリンク

コンピュータストレージ内でデータファイルディレクトリなどの単位で管理するファイルシステムでは、ファイルディレクトリを本来の位置とは別の位置から参照できるようにしたものをリンクという。

このうち、あるファイルディレクトリ実体に複数の名前を付け、それぞれが実際のファイル名ディレクトリ名として等しく機能するようにしたものを「ハードリンク」(hard link)という。

一方、すでに存在するファイルディレクトリを指し示す特殊なファイルなどを作成することにより、本来とは別の位置にそのファイルディレクトリへの参照を作成することができる機能を「ソフトリンク」(soft link)という。この機能はWindowsでは「ショートカット」、macOSでは「エイリアス」、UNIX系OSでは「シンボリックリンク」として知られている。

プログラムのリンク

ソフトウェア開発プログラミングの分野では、機械語などで書かれたプログラムオブジェクトコード)が収められた複数のファイルを結合し、実行可能形式ファイルを生成することをリンクと呼ぶ。

開発者が作成したソースコードから変換されたオブジェクトコードに、そのコード中から参照されているライブラリなど既存のコード群を統合して実行可能な状態にする。「リンカ」(linker)と呼ばれる専用のソフトウェアで自動的にわれる。

一つのファイルにすべてのコードを連結する方式を「静的リンク」(static link/スタティックリンク)、実行時に必要に応じて外部のファイルメモリ上に呼び出す方式を「動的リンク」(dynamic link/ダイナミックリンク)という。

(2020.5.1更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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