HTTPS 【HTTP over SSL/TLS】 HTTP Secure / Hypertext Transfer Protocol Secure

概要

HTTPS(HTTP over SSL/TLS)とは、通信方式の種別などを表すURIスキームの一つで、Webのデータ転送に用いられるHTTPが、SSLTLS暗号化されている状態を表したもの。WebサーバWebブラウザの間の通信が暗号化されていることを意味し、通信経路上での盗聴や改竄、第三者によるなりすましを防止する。

インターネット上での情報資源を指し示すのに「http://www.example.com/」といった形式の「URL」(Uniform Resource Locator)あるいは「URI」と呼ばれる書式が用いられる。先頭部分の「http://」は資源の種類や通信方式、プロトコル通信手順)などを表すスキームと呼ばれる要素で、通常のWeb通信ではHTTPによる通信を表す「http://」を用いる。

HTTPには通信の暗号化についての仕様が無いため、環境によっては通信内容を伝送途上で盗み見られたり途中で内容をすり替えられる危険がある。このため、暗号化プロトコルの「SSL」(Secure Socket Layer)あるいは後継の「TLS」(Transport Layer Security)で暗号化されたデータ伝送路を確立し、その中でHTTPによる通信を行うという方式が用いられる。

この通信方式を「HTTP over SSL/TLS」と呼び、スキームとして「https://」を用いる。アクセスしたいWebサイトのアドレス(URL)や、Webブラウザに表示されたWebページのアドレス欄などが「https://」で始まっていることを確認すれば、そのページのデータ伝送がSSL/TLSによって保護されていることが確認できる。

暗号化にはデジタル証明書が用いられ、Webブラウザのアドレス欄の近くにあるアイコンなどをクリック/タップすることなどにより、証明書の発行元(認証局)や、暗号方式の詳細、発行元に登録されたWebサーバ運営者の身元情報などを知ることができる。

HTTPは標準でTCP80番ポートを使用して通信するが、HTTPS向けには標準でTCP443番ポートが使われる。「https://www.example.com:8080/」のように特定のポートを指定することもできる。SSL/TLSを組み合わせて暗号化するプロトコルは他にもあり、SMTP暗号化したSMTPSPOP3暗号化したPOP3SIMAP4暗号化したIMAPSなどがよく知られる。

(2020.12.10更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

試験出題履歴

ITパスポート試験 : 平30秋 問71 平28春 問56 平27春 問55 平27春 問83 平25秋 問73 平25春 問74 平24春 問80
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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