マジックナンバー 【magic number】
概要
マジックナンバー(magic number)とは、コンピュータプログラムのソースコードなどに直に記述された数値で、その意味や意図が記述した本人以外には自明ではないもの。そのような値などをコード中に直に書いてしまうことを「ハードコード」という。コード中に「10」といった数値リテラルだけが書いてあり、それが何を意味するのか、何に由来するのか知る手掛かりが残されていないようなものを指す。後で他の人が見ても(ひどい場合には本人が見ても)それが何を表すのかが分からなかったり、修正が難しくなったりすることが多い。
また、複数の箇所に同じ(意味の)数値が現れる場合、変更の必要が生じた時にその数値を参照している箇所をすべて探し出していちいち新しい値に書き換えねばならず、変更漏れが起きやすくなるという問題もある。
マジックナンバーのような記述の仕方はなるべく避け、定数や列挙型(集合型)などの機能を用いて、コード中には定数名などの形で値を参照すべきとされる。定数名や定数を定義するコードから意味や意図を推し量りやすくなり、変更する際も定義部分を書き換えるだけで参照箇所を漏れなく更新することができる。
ファイル形式のマジックナンバー
ファイル形式の中には、先頭の数文字や数バイトが決まった文字列やバイト列になっており、先頭を読み込むだけでその形式であると判別できるようになっているものがある。この形式を表す先頭の短いデータのことをマジックナンバーという。
例えば、WindowsのEXEファイルは先頭2バイトが16進数で「4D」「5A」という並びになっており、2バイト読み込むだけでEXEファイルであると同定できる。「1F」「8B」ならgzipファイル、「FF」「D8」ならJPEGファイルである。GIFファイルの「GIF87a」あるいは「GIF89a」、PDFファイルの「%PDF-」のようにASCIIコードによる文字列となっている形式もある。
(2023.12.6更新)