ハッカー 【hacker】
概要
ハッカー(hacker)とは、コンピュータやデータ通信についての高度な知識や技能を持ち、情報システムやプログラム、ネットワークなどの動作を解析したり、独自に改造や拡張などを行う人のこと。その技能を用いて悪事を働く人を指すこともある。世間一般には、そのような高度な技術を悪用して不正や攻撃、犯罪を行う者という意味が広まっているが、もともとは悪い意味ではなく、現在でも技術者コミュニティでは純粋に常人離れした技術力を称える尊称のように用いられることも多い。
1960年代のアメリカで、コンピュータの理解やプログラムの開発に情熱を注ぎ、創意工夫や遊び心を発揮して人々を驚かせるようなソフトウェアの開発・改造を行うような人を “hacker” と呼ぶようになったのが最初とされる。
1980年代に通信回線を介して外部からコンピュータを不正に操作する事件が現実のものとなると、当時のマスメディアが犯行グループを表す言葉として “hacker” という表現を多用し、以降、現在に至るまで一般社会では高度なコンピュータ技術を不正に用いる者を指す言葉として定着している。日本でも外来語として「ハッカー」という語が輸入された当初から、このような用法が一般的となっている。
コンピュータ技術者の中には「ハッカー」が本来の意味を離れて悪人の意味が独り歩きすることを良しとせず、不正アクセスや破壊・妨害活動などを行う者を「クラッカー」(cracker)「アタッカー」(attacker)などと呼んで区別しようとする動きも見られた。技術者コミュニティの中では一定程度このような呼び分けが定着し、「ハッカー」を尊称あるいは中立的な意味合いで用いることが多い。
(2018.7.6更新)