Apache 【Apache HTTP Server】
概要
Apache(Apache HTTP Server)とは、世界的に最も普及しているWebサーバ(HTTPサーバ)ソフトウェアの一つ。 非営利団体のアパッチソフトウェア財団(Apache Software Foundation)が開発しており、オープンソースソフトウェアとして公開している。古くから開発・公開されてきた人気の高いWebサーバで、安定性や機能の豊富さ、対応ソフトウェアの多さなどが評価され、企業から個人まで様々な用途で利用されている。LinuxやWindows、macOSを始め様々なオペレーティングシステム(OS)上で動作し、いくつかの著名なOSでは、そのOSでの動作に最適化された高性能なプログラムを利用することができる。
モジュールによる機能拡張
拡張機能をモジュールとして追加できる構造となっており、公式にいくつかの機能が配布されているほか、第三者が自由にモジュールを開発・導入することができる。
特定のプログラミング言語を利用するためのモジュールや、企業が自社製品と連携するためのモジュールなど様々なものが開発されている。「mod_perl」「mod_rewrite」「mod_cgi」など、モジュール名は慣習として「mod_機能名」という形式になっている。
Apacheはオープンソースとしてソースコード自体が配布されているため、実行可能(バイナリ)形式へのコンパイル時にあらかじめモジュールを組み込み、Webサーバ本体に一体化させて動作させる「静的リンク」を行うことができる。別にコンパイルしたモジュールを実行時に連携させる「動的リンク」より導入は手間だが、高速に動作させることができる。
歴史
初版は1995年に公開された。それ以前に普及していた「NCSA HTTPd」というWebサーバの開発が停滞したことから、有志がその不具合の解消や改良を行うパッチ(patch:継ぎ当て)プログラム集として開発した。
名称の由来として、NCSA HTTPdにパッチを継ぎ当てた “A patchy web server” (つぎはぎのWebサーバ)をアメリカ大陸先住民のアパッチ族(Apache)に掛けたものであると説明されることが多いが、当時の開発者グループの中心メンバーだったブライアン・ベーレンドルフ(Brian Behlendorf)氏によれば、“Apache”という名前は突然ひらめいたもので、しばらくしてから別のメンバーにそのような語呂合わせを指摘されたとしている。
Apache Software Foundation
後に同氏を中心に非営利団体のApache Software Foundationが結成され、パッチ集から独立したWebサーバソフトウェアとして全面的に再開発された。同財団はApache以外にもサーバ向けソフトウェアを中心に様々なオープンソースソフトウェアの開発・配布を手がけている。
Apacheをオープンソースとして開発・配布するために考案されたライセンス(利用許諾契約)である「Apacheライセンス」(Apache License)は著名なオープンソースライセンスの一つとして広く普及している。
関連用語
関連リンク (外部サイト)
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 宮崎大学工学部紀要 第41号「フィールドにおけるセンシング情報を用いた視覚的な誘導支援システムの開発」(PDFファイル)にて引用 (2012年11月)