RSS 【RDF Site Summary】 Really Simple Syndication / Rich Site Summary

概要

RSS(RDF Site Summary)とは、Webサイトの更新情報を配布するためのデータ形式の一つ。XMLベースのマークアップ言語で、更新された記事のタイトルやURL、更新日時、要約などを記述することができる。

Webサイトの運営者はサイト内で最近追加・更新されたページについての情報をRSS形式のファイルとしてサイト上の特定の位置(URL)で公開することにより、閲覧者側のソフトウェアに常に最新の情報を配信することができる。このような更新情報の配信データを「RSSフィード」(RSS feed)あるいは単にフィードという。

閲覧者側では「RSSリーダー」(RSS reader)などと呼ばれる巡回ソフトが登録したサイトフィードを定期的に取得し、ニュースのように時系列やサイトごとに一覧表示してくれる。利用者はわざわざWebブラウザで各サイトを回らなくても、購読しているサイトの最新記事や更新情報をリアルタイムにチェックすることができる。

2000年代にはブログやニュースサイトなど、最新記事を時系列に提供するサイトの多くが閲覧者のリピート利用を促すためRSSフィードの配信を標準的にうようになったが、RSSリーダーの普及が当初予想されたように一般層まで広まらない中、2010年代には無料のリーダーサービスの閉鎖などが相次ぐようになり、フィードの提供を打ち切るサイトも増えている。

歴史

1999年に当時のWebブラウザ大手、米ネットスケープ・コミュニケーションズ(Netscape Communications)社が、汎用メタデータ記述方式RDFResource Description Framework)の構文を利用する最初のバージョン、「RDF Site Summary 0.9」を発表した。同社はすぐにRDFを利用する方針を転換し、非RDF構文のXMLベースの形式である「Rich Site Summary 0.91」を同年に発表した。

その後同社はRSSの開発から撤退したが、RDF版のRSS 0.9を支持する開発者グループはこれを拡張・整理した「RDF Site Summary 1.0」を2000年に発表した。一方、非RDF版のRSS 0.91を支持する米ユーザーランドソフトウェアUserLand Software)社などは、0.91を改良して0.92、0.93などと発展させていき、2002年に「Really Simple Syndication 2.0」を発表した。

このように歴史的な経緯からRSSの仕様はRDF版(0.9→1.0系)と非RDF(0.9x→2.0系)の互換性のない二系統に分断されており、RSSの正式名称も「RDF Site Summary」「Rich Site Summary」「Really Simple Syndication」の3つが並立している。

こうした混乱を嫌気した開発者グループが過去のしがらみのない形式を求め、まったく新しいフィードの配信形式として「Atom Syndication Format」を開発した。

(2019.2.20更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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