インライン 【in-line】

概要

インライン(in-line)とは、直列の、一列に並んだ、などの意味の英単語。ITの分野では「その場に埋め込む(埋め込まれた)」という意味で用いられることが多い。

電子メールのインライン

メールの返信を作成する際、もとのメールの本文を全文引用して、応答文を数行おきに挟んでいくような書式を「インラインコメント」「インラインで返信する」などという。

相手と会話するように返答を記述していくため、文脈が分かりやすく、情報の欠落やすれ違いが起きにくいという利点があるが、ゼロから本文を書き起こさずに相手の文章に依存した書き方をすることを雑な対応、あるいは失礼だと感じる人もいるようである。このため、取引先とのビジネス上のやり取りなどでは「インラインで失礼します」などと冒頭に断り書きを挿入する場合もある。

プログラミングのインライン

プログラミングで、関数などを定義したコードを、それを呼び出した箇所に展開して直接埋め込んでしまう手法を「インライン展開」「インライン関数」などという。実行時関数の呼び出しが必要なくなるため速度は向上するが、同じコードを何ヶ所にもコピーするため全体のコードサイズは増加する。

また、アセンブリ言語コード高級言語ソースコード中に特殊な記法を用いて埋め込むことをインラインアセンブラという。そのようなコードを解釈できる機能や、言語処理系(コンパイラアセンブラ)のことを指す場合もある。

HTMLのインライン要素

HTMLなどのマークアップ言語で、見出しや段落など文書の構造を規定する機能を持った要素を「ブロックレベル要素」、ブロック内で文字の修飾やハイパーリンクなどを埋め込む機能を持った要素を「インライン要素」と呼んで区別する。

インライン要素は文章などの一部に情報を追加するために用いられるもので、ブロックレベル要素のように(箱型の)自身の領域を持たない。

(2018.8.11更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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