読み方 : じょうほうおち

情報落ち【loss of trailing digits】情報落ち誤差

概要

情報落ちとは、コンピュータで絶対値の大きさが極端に異なる数字を足したり引いたりしたときに、小さい値の情報が無視されてしまう現象。また、そのような現象によって起きる計算の誤差。
情報落ちのイメージ画像

コンピュータでは扱う数値の桁数に制限があるため、極端に大きな値と極端に小さな値を加減算すると計算結果の数値は桁数が非常に長くなってしまい、小さい値に由来する部分がすべて切り捨てられてしまう。

例えば、有効桁数10進数で10桁の計算環境において、1234567890.0 という大きな数に 0.000001 という小さな数を加算すると、正確な答えは 1234567890.000001 だが、これを10桁で表現しようとすると小数点以下の桁がすべて丸められ、結果は 1234567890.0 のままとなる。小さな数 0.000001 の情報が完全に失われてしまう。

単純に2つの数値の和を求めるような場合であれば大した影響は無いが、大きさの極端に異なる値がたくさんあり、加算を繰り返してすべての合計を求めるような状況では、落差の大きい組み合わせの加算で常に小さい値が無視されてしまう。こうした計算を何万回、何億回と繰り返すプログラムでは、最終的な結果が大きく狂ってしまうことがある。

そのような場合には、値を小さい順に並べて小さい方から順に足し合わせるといった処理を行うことで、情報落ちの影響を小さくすることができる。また、加算の際に生じた丸め誤差を補正項として別途記録し、次の加算時に補正として加え直す手法もあり、考案者の名前から「カハンの加算アルゴリズム」(Kahan summation algorithm)と呼ばれる。

(2026.3.6更新)
 

資格試験などの「情報落ち」の出題履歴

▼ 基本情報技術者試験
令6修12 問1】 数多くの数値の加算を行う場合,絶対値の小さなものから順番に計算するとよい。これは,どの誤差を抑制する方法を述べたものか。
令6修7 問1】 浮動小数点演算において,絶対値の大きな数と絶対値の小さな数の加減算を行ったとき,絶対値の小さな数の有効桁の一部又は全部が結果に反映されないことを何というか。
令6修1 問1】 数多くの数値の加算を行う場合,絶対値の小さなものから順番に計算するとよい。これは,どの誤差を抑制する方法を述べたものか。
令5修6 問1】 浮動小数点演算において,絶対値の大きな数と絶対値の小さな数の加減算を行ったとき,絶対値の小さな数の有効桁の一部又は全部が結果に反映されないことを何というか。
令4修7 問1】 浮動小数点表示の仮数部が23ビットであるコンピュータで計算した場合,情報落ちが発生する計算式はどれか。ここで,() 2 内の数は2進数とする。
令4修6 問2】 浮動小数点演算において,絶対値の大きな数と絶対値の小さな数の加減算を行ったとき,絶対値の小さな数の有効桁の一部又は全部が結果に反映されないことを何というか。
平27修7 問1】 浮動小数点演算において,絶対値の大きな数と絶対値の小さな数の加減算を行ったとき,絶対値の小さな数の有効桁の一部又は全部が結果に反映されないことを何というか。
平26修7 問3】 浮動小数点表示の仮数部が23ビットであるコンピュータで計算した場合,情報落ちが発生する計算式はどれか。ここで,() 2 内の数は2進数とする。
平25修12 問3】 数多くの数値の加算を行う場合,絶対値の小さなものから順番に計算するとよい。これは,どの誤差を抑制する方法を述べたものか。
平24修7 問1】 浮動小数点表示の仮数部が23ビットであるコンピュータで計算した場合,情報落ちが発生する計算式はどれか。ここで,() 2 内の数は2進数とする。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。