nginx
概要
nginxとは、オープンソースのWebサーバソフトウェアの一つ。大規模な配信環境を想定した設計となっており、リバースプロキシやキャッシュサーバ機能を標準で内蔵する。「エンジンエックス」(engine x)と発音する。並行処理とメモリ消費の抑制を重視した設計で、同時アクセス数が増えても安定的に動作する。HTTPサーバやSSL/TLSによる暗号化などの基本的な機能の他に、サーバの代理として動作するリバースプロキシやHTTPキャッシュ、サーバ間で負荷を分散するロードバランサ(負荷分散)などの機能を持っている。メールサーバ(SMTP/POP3/IMAP4)のプロキシサーバとしても動作する。
多くの機能がモジュール(部品)化されており、不要な機能を外して軽量化したり、第三者が開発・公開しているモジュールを取り込んで機能を強化したり、独自の機能を実装したモジュールを開発して追加することができる。
ロシアのイゴール・シソエフ(Igor Sysoev)氏によって開発が創始されたオープンソースソフトウェアで、BSDライセンスに似たライセンスで提供されており、誰でも自由に入手・改変・再配布することができる。Linuxなど主要なUNIX系OSおよびmacOS、Windowsなどに対応している。
2004年に最初のバージョンが公開され、大規模なWebサイトを運用する事業者などを中心にじわじわと人気が高まっていった。2010年代中頃以降は世界全体のWebサーバ市場でApache HTTP Serverに次ぐ普及率となっている。
同氏は2011年に同名の企業(Nginx Inc.)を設立し、商用版である「NGINX Plus」や関連ソフトウェア製品の販売、サポートの提供などを行なっている。同社は2019年に米F5ネットワークス(F5 Networks)社に買収され、同社の一部門となっている。
(2020.4.14更新)