WCAG 【Web Content Accessibility Guidelines】 Webコンテンツアクセシビリティガイドライン

概要

WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)とは、Web技術・仕様の標準化を推進するW3Cが提唱しているWebページのアクセシビリティに関するガイドライン。

Webページがコンピュータやソフトウェアなど利用環境の違いや、子どもや高齢者、障害者などの区別なく、誰でも等しくアクセス可能である状態や程度を「Webアクセシビリティ」(web accessibility)という。WCAGではアクセシビリティを確保するために制作者が留意すべき技術的な要件を定めている。

4つの原則として、(視覚に限定せず)何らかの形で内容を知覚できるようにする「知覚可能」(perceivable)、(特定の装置や方法に限定せず)様々な手段で操作できるようにする「操作可能」(operable)、内容や操作方法を理解しやすくする「理解可能」(understandable)、記述の完全性や技術仕様の互換性に配慮する「堅牢」(robust)を掲げている。

具体的な項目としては「画像や音声などには代替テキストによる注釈をつける」「すべての要素をキーボードで指定できるようにする」「サイトやページ内での現在位置を確認する手段を提供する」「ページ内の要素の動作を予測できるように構成する」「ユーザーエージェントWebブラウザや音声読み上げソフトなど)との互換性を最大化する」などがある。

WCAG 1.0はW3C内の作業部会WAIWeb Accessibility Initiative)が仕様を取りまとめ、1999年にW3C勧告として標準化された。WCAG 2.0は2008年にW3C勧告となり、2012年には国際標準化機構(ISO)によってISO/IEC 40500として採用された。日本ではJIS X 8341-3の2010年改訂版(JIS X 8341-3:2010)がWCAG 2.0対応となった。

(2020.4.12更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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