Tor 【The Onion Router】

概要

Tor(The Onion Router)とは、インターネット上で発信元の秘匿性が高い通信うことができるシステム。元はアメリカ海軍の研究所で開発された技術で、現在は仕様および対応ソフトウェアオープンソースとして公開されている。

インターネット上に設けられた中継・転送用ノード(オニオンルータと呼ばれる)を繋いで独自にネットワークを形成し、送信元から宛先までに複数のノードを経由することで、宛先側から真の発信元や通信経路を割り出しにくくすることができる。

Torネットワークには世界中の個人や組織がボランティアで参加しており、Tor利用者通信を中継・転送している。通信の相手先がこのネットワークに参加している必要はなく、ネット上の任意の相手と双方向に通信できる。最後の中継ノードがTorネットワークの「出口」として機能し、相手側は直接的にはこのノード通信する。

利用には専用のクライアントソフトが必要だが、Torネットワークを通じた通信自体はTCPを利用したプロトコルならどのようなものでも可能で、Webアクセス電子メールの送受信、インスタントメッセージVPNなど様々な用途に使用できる。UDPICMPは利用できない。

オニオンルータ間の通信SSL/TLS暗号化されるが、最後の中継ノードから目的地のホストまでの間は通常のTCP通信なうため、悪意のある中継ノードによる傍受を避けるには接続先との間で別途SSL/TLSを併用するなど対策を講じる必要がある。

(2020.2.28更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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