Webユーザビリティ 【web usability】 ウェブユーザビリティ
概要
Webユーザビリティ(web usability)とは、WebサイトやWebページ、Webシステム(WebアプリケーションやWebサービス)の使いやすさ、分かりやすさのこと。利用者が目的を達する容易さや効率の良さ、満足度などの総体。Webサイトを訪れた閲覧者が目的の情報にたどり着いたり、目的の操作や手続きを達成するのに、どれだけ迷わず快適に行うことができるかを表す。サイトの構造や現在位置、どこを操作すればどこへ移動するのかなどが容易に理解でき、最低限の効率的な操作で目的の情報や手続きに到達できるといった点が重要となる。
サイトの種類や訪問者の目的、主な対象機器やソフトウェア(パソコンかスマートフォンか)などの違いによってどのような作りが好ましいかは異なり、ある環境では好ましい要素が別の状況や利用者では無効であったり使いにくい場合(マウスオーバーポップアップや固定表示メニューなど)もある。
ユーザビリティ向上のためによく言われる一般的な要素としては、サイト内で一貫性があり見やすく整理されたメニューやナビゲーション要素、主題がひと目で分かるページタイトル(title要素)や表題・見出し、リンクの存在やリンク先が明確に分かる配色やアンカーテキスト、現在位置が容易に把握できるパンくずリストなどの案内、サイト全体が俯瞰できるサイトマップ、キーワードでサイト内のページを探せる全文検索フォームなどがある。
Webユーザビリティの確認のためには、ソフトウェアなどの場合と同じように、想定利用者の協力を得て実際にいくつかのシナリオに従って目的を達成するまで操作してもらい、その様子を記録・観察したり意見を聞くといった「ユーザーテスト」(user testing)あるいは「ユーザビリティテスト」(usability testing)を行うのが有効である。
また、アクセス解析ソフトや解析サービスなどを用いて、実際の訪問者のページ間の遷移やリンクのクリック状況などを計測し、サイト内で想定した通りの人の流れが生じているか、どこでつまずきや滞りが起こっているか確認する手法もある。
一方、身体機能が様々な状態にある人が、どのくらいWebサイト上の情報にたどり着いたり内容に触れることができるかを表す概念を「Webアクセシビリティ」(Web accesibility)という。情報への到達や機能の利用が可能である度合いを意味し、利用しやすさであるユーザビリティとは区別される。まず前提としてアクセシビリティが確保された上で、ユーザビリティの高低が問題となる。