Scratch

概要

Scratchとは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボで開発されたビジュアルプログラミング言語および開発実行環境。画面上で帯状の「ブロック」を繋ぎ合わせてプログラムを記述することができる。

開発画面には様々な色の帯状のブロックが並んでおり、これを複製して繋ぎ合わせていくことでプログラム構築することができる。画面内に実行状態を表示する「ステージ」が用意されており、現在のプログラムを即座に実行して結果を確かめることができる。

ブロックは機能によって分類されて色分けされている。青いブロックは「動き」でキャラクターなどのスプライト(画像)の動きを制御する。同様に、青紫は「見た目」、赤紫は「音」、黄色は「イベント」、オレンジは「制御」といった具合に様々な機能のブロックが用意されている。

通常のプログラミング言語と同じように、制御ブロック条件分岐や繰り返しを定義することができる。制御用のブロックが縦に伸びて他のブロックを包み込むように表示することで、制御範囲を一目で分かりやすく把握することができる。変数データ構造関数なども利用でき、複雑な動作を定義することができる。

2003年にMITメディアラボの研究者により開発され、2007年に正式版が公開された。同大では2019年に非営利団体スクラッチ財団(Scratch Foundation)を設立し、開発や振興を移管した。開発環境オープンソースソフトウェアとして公開されており、誰でも自由に入手、使用、改変、再配布することができる。Webアプリケーション版も公開されており、ユーザー登録すれば手元のコンピュータソフトウェアを導入しなくてもWebブラウザ上で利用できる。

(2025.3.3更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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