学習コスト
概要
学習コストとは、新しい知識や技能を習得するのにかかるコスト。金銭的な費用に限らず時間や労力を指すこともある。使ったことがないものを使えるようにするには利用方法を習ったり実際に使ってみて試行錯誤する時間が必要であり、そのためにかかるコストを学習コストという。用具や資料を購入する金銭的なコスト、習得に費やす時間的なコストが含まれる。組織が従業員に何かを習得させる場合は学習時間も金銭的な負担となる。
使い方やその覚えやすさ、知るべき知識の量や難しさは対象によって違いがあり、ある水準まで使えるようになるまでに必要な学習量や練習量が少ない(簡単に使えるようになる)ことを「学習コストが低い」という。逆に、前提知識や技能が多かったり、複雑で難解な概念が含まれたり、操作の習熟に時間がかかるなど、容易には習得できないことを「学習コストが高い」という。
ITの分野では、機器やソフトウェア、情報システムを導入・更新する際に利用者が新たに覚えなければならない概念や使い方、また、開発時に技術者が習熟しなければならないプログラミング言語や開発ツール、開発手法などの学習コストがよく問題となる。
学習コストは「新たに学習しなければならない内容」にかかるコストであるため、既に類似する対象についての知識や技能が期待できる場合は全く新規に習うよりコストが軽減されることがある。例えば、新しいシステムの表示・操作体系を既存のものとなるべく共通にしたり、新しいプログラミング言語の仕様や記法を既存の著名な言語に似せて作れば、学習者は新旧で異なる部分のみ習得すればよく、学習コストを減らすことができる。
(2022.2.7更新)