トークン 【token】 字句

概要

トークン(token)とは、証拠、記念品、代用貨幣、引換券、商品券などの意味を持つ英単語。ITの分野では、長いデータを最小の構成単位に分解したものや、何かの証や印になるようなデータや装置、器具などのことをトークンということが多い。

セキュリティトークン

情報セキュリティの分野では、利用者認証などのために用いられる携帯型の小型の装置のことをセキュリティトークンあるいは略して単にトークンという。

具体的な機能は装置によって異なり、デジタル署名のための暗号鍵を格納するものやワンタイムパスワードを生成して表示するものがよく知られる。コンピュータUSB端子に差し込んで使うタイプのものはUSBトークン、ソフトウェアとして実装されたものはソフトウェアトークンとも呼ばれる。

プログラムコードのトークン

プログラミングの分野では、コンパイラなどがプログラムソースコードを解析する際に、コード上で意味を持つ最小単位の文字の並びのことをトークンという。

プログラム内部の構造を把握するために、それ以上細かく分割できない最も小さな単位に分解した文字列がトークンで、プログラム上に登場する要素の名前(予約語変数名関数名など)や演算子括弧リテラルデリミタなどが該当する。

コンパイラプログラムをトークン単位に分解したあと、トークン間の関係を解析して木構造データ(構文木)を構築し、最適化オブジェクトコードへの変換などをう。

ブロックチェーン技術のトークン

仮想通貨の技術的な基盤として用いられるブロックチェーンを用いて、ある発行主体が取引相手に交付する証券のようなデータをトークンという。コインとも呼ばれる。

ある仮想通貨基盤を用いて特定の主体が発行するもので、発行されたトークンはその仮想通貨ブロックチェーンを用いて現在の所有者を確認・証明することができる。

多くの仮想通貨では、その通貨を用いて誰でも自由にトークンの発行、譲渡、売買ができるようになっているため、企業などが資金調達のためにトークンを発行し、対価として仮想通貨を受け取る活動をう場合がある。

これを株式の市場への新規上場(IPO:Initial Public Offering)になぞらえてICO(Initial Coin Offering)という。株式の場合は所有者(株主)は株主総会で議決権を行使したり配当や株主優待などを受ける権利を取得するが、ICOの際にもトークンの購入者に将来の利益の還元や何らかの権利や特典を約束することが多い。

(2019.6.18更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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