フィラー 【filler】

概要

フィラー(filler)とは、詰め物、充填剤、充填材、充填機、埋め草、つなぎ、目止め、緩衝材などの意味を持つ英単語。隙間を埋めるために詰めるものや、詰める装置や人のこと。

フィラーデータ

ITの分野では、長さが仕様などであらかじめ決まっている固定長データを扱う際、格納したいデータが規定のデータ長より短い場合に、空いた領域を埋めるデータのことをフィラーということがある。末尾などをフィラーで埋める処理を「パディング」(padding)という。

フィラーはそれ自体は処理に使わない意味のないデータで、仕様で何を書き込むか決まっている場合と、特に指定がなくプログラム側で好きに決めていい場合がある。よく用いられるのは数値あるいはビットの「0」の連続ですべて埋める方式で「ゼロパディング」と呼ばれる。

フィラーテキスト

印刷物やWebページなどのデザインで、見出しや文章のレイアウトを決めるため、文字が入る予定の位置にとりあえず埋め草で書き込まれる無意味な文字列のことを「フィラーテキスト」あるいは「ダミーテキスト」という。

英語圏では慣習的に “Lorem Ipsum” というフレーズの繰り返しが用いられることが多い。日本では特徴的な慣例は特にないが、未定であることが一目見て伝わるよう無内容な文字の並びにすることが求められ、「ああああ…」など同じ文字の連続とすることが多いようである。

放送のフィラー

放送の分野では、放送中の番組がトラブルで中断したときや、番組休止中の時間帯などに放送される短い音声や映像などのことをフィラーということがある。また、番組の急な中止など編成上の都合で時間を穴埋めしなければならないときに放送される「つなぎ番組」をフィラーということもある。

(2020.6.26更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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