単精度浮動小数点数 【single precision real number】 単精度実数

概要

単精度浮動小数点数(single precision real number)とは、数値を仮数部指数部に分けて表現する浮動小数点数の形式の一つで、一つの数値を32ビットデータとして表現する方式のこと。

コンピュータで実数計算を行うための表現形式である浮動小数点数のうち、最も広く用いられる形式である。多くのプログラミング言語などでは単に浮動小数点といえば単精度を意味し、“float” などの名称で表されるデータ型が用意されている。

どの情報に何ビットを割り当てるかについてはいくつかの方式があるが、標準として広く普及しているIEEE 754では、先頭1ビットが正負の符号部(0が正、1が負)、続く7ビット指数部基数は2)、残り24ビット仮数部となる。表現できる値の大きさの範囲は十進表記で約1.2×10-38~約3.4×1038であり、精度は十進7桁程度となる。

一方、単精度の32ビットを基準として、倍の64ビットデータ量で一つの数値を表現する浮動小数点数を「倍精度浮動小数点数」(double precision floating point number)、半分の16ビットで表現する形式を「半精度浮動小数点数」(half precision floating point number)という。

(2025.2.28更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。