例外処理 【exception handling】

概要

例外処理(exception handling)とは、プログラム実行の継続を妨げる異常な事象(「例外」と呼ばれる)が発生した際に、その内容に応じて実行される処理のこと。

例えば、「入力された2つの数を足し合わせて結果を返す」コードがあるとき、利用者が入力欄に「あ」と書き入れると数値の足し算の処理は実行不可能となる。

このようなプログラムが通常の処理では想定していない事態や事象を「例外」(exception)と呼び、例外が生じた時の対応を記述したコードを例外処理という。この例では、例えば「数字を入力してください」というメッセージを表示して入力をやり直させる、などの対応が考えられる。

多くの言語で用意されている例外処理のための記法(try~catch文など)では、ある範囲(ブロックなど)のコードの実行中に例外が生じたときの処理内容を、その範囲の末尾に記述する。例外が起きなければその部分は飛ばされて実行されない。

関数のように引数として例外についての情報処理系から受け取ることができるようになっていることが多く、例外の種類ごとに異なる処理を記述したり、付随する実行状態についてのデータなどを処理内容に反映させることができる。

例外処理が用意されていない例外や、対応が困難な致命的な例外が発生すると、エラーメッセージが表示されてプログラムが異常終了し、OSの操作画面に戻る場合が多い。

例外とエラー

例外は「エラー」(error)と同種の概念で、普遍的に成り立つ両者の明確な違いは無く、同義として扱われる場合が多い。ただし、プログラミング言語処理系によっては両者に異なる意味合いが与えられている場合もある。

例えば、実行前の準備段階で生じる異常な事象(ビルドエラーや構文エラーなど)をエラーと呼び、実行時に生じる異常な事象を例外と呼ぶ、あるいは、例外のうち実行を継続することが不可能な致命的なものをエラーと呼ぶ、などの使い分けが行われることがある。

(2019.9.3更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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