分配法則 【distributive property】 分配律 / distributive law / 分配則

概要

分配法則(distributive property)とは、実数などの計算で成り立つ法則の一つで、a×(b+c)ab+ac のように変形することができるもの。

2つの数の和と別の数の積は、それぞれの数と別の数の積を求めて足した和に等しいという法則である。実数や行列などの計算で成り立ち、結合法則や交換法則などと並ぶ最も基本的で重要な法則の一つである。

行列のように積の順番で結果が変わる計算では、a×(b+c)=ab+ac を「左分配法則」、(b+c)×a=ba+ca を「右分配法則」と呼んで区別する。実数のように順番に意味がない計算では両者は同じことを表しており区別しない。

論理演算では、2つの真偽値論理和OR)に対する論理積AND)で a(bc)=(a∧b)(a∧c) が成り立つほか、論理和論理積を入れ替えた a(bc)=(a∨b)(a∨c) も同じように成立する。

(2024.5.26更新)

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