YAGNI原則 【You Ain't Gonna Need It】

概要

YAGNI原則(You Ain't Gonna Need It)とは、ソフトウェア開発における原則を表した標語の一つで、実際に必要になった機能だけを追加すべきとする考え方。

もとはエクストリームプログラミングXPExtreme Programming)において提唱された原則で、今現在具体的な必要性がないのに「将来必要になるかもしれない」とか、「あれば便利かもしれない」などといった見込みや思い込みで機能や要素を追加することは戒めるべきであるとする考え方を表している。

背景としては、漠然とした予想や見込みで追加された機能の多くが使われないまま放置され、費やした予算や時間、工数が無駄になる事例が多く見られることや、必要以上にプログラムの規模を大きくしても設計や構造が複雑になり保守や修正が難しくなり、また、いたずらにバグ不具合を増やしてしまうとする知見がある。

似た標語として「KISSの原則」がある。KISSは “Keep it simple, stupid.” (簡潔にしておけ、この間抜け!)の略とされ、ソフトウェア設計を可能な限りシンプルに保つべきとする考え方である。YAGNIもKISSも、ソフトウェアは規模や複雑さの増大は可能な限り避けるべきとする経験則に基づいていると言える。

(2024.1.16更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる