動的ライブラリ 【dynamic library】 ダイナミックライブラリ / 動的リンクライブラリ / dynamic link library / ダイナミックリンクライブラリ
概要
動的ライブラリ(dynamic library)とは、プログラムの実行に必要なライブラリのうち、実行時に実行ファイルに連結して利用するもの。WindowsにおけるDLLファイルなどがよく知られる。ソフトウェアの開発では、開発者がすべての機能をゼロから自前で記述するのは無駄が多いため、様々なソフトウェアが共通して利用する汎用的な機能は「ライブラリ」と呼ばれるプログラム部品集として提供される。
ライブラリはオペレーティングシステム(OS)のやプログラミング言語の開発環境、特定製品の対応ソフトウェア開発キット(SDK)などに付属して提供されることが多く、開発者は自分のプログラムからライブラリの中にあるプログラム部品(関数やクラスなど)を呼び出して実行する。
ライブラリを使用してプログラムを開発する場合、そのプログラムの実行時に何らかの形で当該ライブラリが連結されていなければならない。実行ファイル中にはライブラリの呼び出しコードのみを置き、ライブラリ本体は実行環境に存在するものを実行時に読み込んで連結(動的リンク)する方式を動的ライブラリという。
ライブラリ本体は実行環境に用意されたものを利用するため、プログラム本体を軽量に保つことができ、本体のみ、あるいはライブラリのみを修正・更新することも容易である。ただし、実行環境側で別途ライブラリファイルを用意・配置しておく必要があり、開発環境とのバージョン違いによる不整合などが生じることもある。
一方、開発時に実行ファイルを組み立てる際、その内部にライブラリを丸ごと取り込んで一体化(静的リンク)しておく方式を「静的ライブラリ」(スタティックライブラリ)あるいは「静的リンクライブラリ」という。
(2022.4.2更新)