スパム 【SPAM】 スパムメール / spam email

概要

スパム(SPAM)とは、何らかの方法で入手したメールアドレスに対して無差別に、本人に許諾を得ずに一方的に営利や詐欺を目的とする宣伝メールを配信すること。転じて、電子メール以外にも様々なネット上の手段を用いて無差別に広告メッセージをばらまく行為をスパムと呼ぶようになった。

送信者(スパマー)はメールアドレスリストを使い、宣伝内容を記したメールを片っ端から送信する。受信者のメールボックス容量やインターネット上の公共的な回線資源を無駄遣いし、受信者に有無を言わさず選別・削除作業の負担を強いる迷惑行為である。

受信者の心象を損なうため、まともな営業活動を志向するほとんどの事業者は用いない手法だが、アダルト関連やコンプレックス商法、一攫千金を謳う金融業者など端から消費者の信用を求めない事業者が低コストな宣伝手段として根強く実施し続けている。フィッシング詐欺などそもそもが犯罪目的のスパムも多い。

転じて、SMSメッセンジャー電子掲示板BBS)やSNSブログWebサイトコメント機能などを悪用し、一方的に宣伝メッセージを送りつける行為全般を指して「スパム」と総称する。また、検索エンジンの分野では、ページ上の広告を閲覧させる目的で価値ないWebページを大量に制作し、検索エンジンに上位表示させようとする試みを「SEOスパム」と呼ぶ。

語源

「SPAM」とは、米ホーメルフーズ(Hormel Foods)社の味付け豚肉の缶詰のことである。イギリスのコメディー番組「Monty Python’s Flying Circus」(モンティ・パイソンの空飛ぶサーカス)の有名なコントに次のようなものがある。

レストランに夫婦が入ってきてメニューを選んでいると、近くに座っているバイキングの一団が「SPAM、SPAM、SPAM!」と大声で歌いだす。次第に店員も「SPAM」を連呼しだし、最初は嫌がっていた夫婦も最後には屈してSPAMを注文せざるを得なくなる、という筋書き。ほしくもないのに大量に送りつけられてくる広告メールから、このコントでしつこく連呼される「SPAM」を連想したのが由来と言われている。

ホーメル社は同社の登録商標である「SPAM」(すべて大文字)とは区別して、迷惑メールのことはすべて小文字の「spam」と呼ぶよう自社サイトで呼びかけている。また、「SPAM」及び「spam」を商標の一部として使用したり、迷惑メールと関連付けて同社製品の写真を使用することは許容しないとしている。

(2024.6.18更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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