倍精度浮動小数点数 【double precision real number】 倍精度実数

概要

倍精度浮動小数点数(double precision real number)とは、数値を仮数部指数部に分けて表現する浮動小数点数の形式の一つで、一つの数値を64ビットデータとして表現する方式のこと。

コンピュータで実数計算を行うための表現形式である浮動小数点数のうち、科学技術計算など高い精度が求められる用途で用いられる形式である。多くのプログラミング言語などが高精度な数値計算のために組み込みデータ型として用意しており、 “double” などの型名で表される。

どの情報に何ビットを割り当てるかについてはいくつかの方式があるが、標準として広く普及しているIEEE 754では、先頭1ビットが正負の符号部(0が正、1が負)、続く11ビット指数部基数は2)、残り52ビット仮数部となる。表現できる値の大きさの範囲は十進表記で約2.2×10-308~約1.8×10308であり、精度は十進16桁程度となる。

一方、倍精度の半分の32ビットデータ量で一つの数値を表現する浮動小数点数を「単精度浮動小数点数」(single precision floating point number)、そのさらに半分の16ビットで表現する形式を「半精度浮動小数点数」(half precision floating point number)という。

(2025.2.28更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。