インフォグラフィック【infographics】

概要

インフォグラフィックとはデータや情報を文字や数字、図表、グラフ、イラスト、記号などの視覚的要素を組み合わせて一枚の画像としてデザインしたもの。文章だけでは伝わりにくい内容を、直感的に把握できる形で表現する手法を指す。
インフォグラフィックのイメージ画像

単なるグラフやイラストとは異なり、色彩や形状、大きさ、配置を総合的にデザインすることで、情報の構造や優先順位を一目で伝えられるよう工夫されている。鉄道の路線図や道路標識、天気予報の地図表示、地域別統計図など、日常でよく目にするものも含まれる。科学技術の分野では、構造図や模式図に補助線や矢印、注釈を加えた画像がよく用いられる。

人間は文字や数字より視覚情報を速く処理する。この性質を活かすことで、数値の大小関係、工程の流れ、地域ごとの差異といった内容を短時間で伝えられる。複雑なデータでも、視線の流れを意識した配置と色分けによって要点を整理し、専門知識のない受け手にも理解しやすくなる。言語の壁を越えて情報を伝えられるため、国際的な広報資料にも活用される。

企業の決算報告、教育用の教材、行政の広報資料、SNSでの情報発信など、幅広い場面で使われている。スマートフォンの小さな画面でも内容を把握しやすく、短時間で情報を届けられることから、WebSNSでの情報整理に特に広く利用されている。静止画だけでなく、アニメーションやインタラクティブに操作できるソフトウェアの形に仕上げたものもある。

一方、グラフの軸を操作して差を誇張したり、強い色彩で印象を操作したりすると、受け手に誤った認識を与えかねない。視覚的な訴求力の高さは、誤用された場合の影響も大きい。制作者には情報の正確さと誠実な設計が求められ、受け手にはその表現が適切かどうかを見極めるリテラシーも必要である。

地図や統計図表のように視覚的な情報表現の歴史は古く、19世紀にはナポレオンの遠征における兵力変化を図示した統計地図や、ロンドンのコレラ流行を地図上に可視化した公衆衛生調査などが知られる。20世紀には新聞や雑誌の表現形式として広く定着し、コンピュータが普及すると画像編集ソフトやデザインツールの発展により専門家以外でも制作できる環境が整った。現在では「Canva」や「Tableau」といったツールを用いれば、グラフィックの専門知識がなくても作成できる。

(2026.5.8更新)
 

他の辞典等による「インフォグラフィック」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。