静的ライブラリ 【static library】 スタティックライブラリ / 静的リンクライブラリ / static link library / スタティックリンクライブラリ
ソフトウェアの開発では、開発者がすべての機能をゼロから自前で記述するのは無駄が多いため、様々なソフトウェアが共通して利用する汎用的な機能は「ライブラリ」と呼ばれるプログラム部品集として提供される。
ライブラリはオペレーティングシステム(OS)のやプログラミング言語の開発環境、特定製品の対応ソフトウェア開発キット(SDK)などに付属して提供されることが多く、開発者は自分のプログラムからライブラリの中にあるプログラム部品(関数やクラスなど)を呼び出して実行する。
ライブラリを使用してプログラムを開発する場合、そのプログラムの実行時に何らかの形で当該ライブラリが連結されていなければならない。開発時にプログラムの実行ファイルを生成する際、リンカ(linker)によって実行ファイルの一部としてライブラリを連結(静的リンク)する方式を静的ライブラリという。
必要なライブラリをあらかじめ取り込むため、実行環境に別途ライブラリを用意する必要がなく、開発環境と実行環境のバージョン相違などによる不整合も起こらない。ただし、実行ファイルのサイズは大きくなりがちで、本体のみ、あるいはライブラリのみを修正・更新したい場合も、ファイル全体を作り直して入れ替えなければならない。
一方、開発時にはライブラリの呼び出しコードのみをプログラムに埋め込んでおき、実行時に必要なライブラリファイルを動的に取り込んで連結(動的リンク)する方式を「動的ライブラリ」(ダイナミックライブラリ)あるいは「動的リンクライブラリ」(DLL:Dynamic Link Library)という。
(2022.4.2更新)