ブルックスの法則 【Brooks's law】

概要

ブルックスの法則(Brooks's law)とは、ソフトウェア開発についての法則の一つで、「遅延している開発プロジェクトに人員を追加すると、余計に遅延が悪化する」というもの。

コンピュータ科学者フレデリック・ブルックス(Frederick P. Brooks, Jr.)氏が1975年に著書 “The Mythical Man-Month” (邦題:人月の神話)で提唱した法則で、氏のソフトウェア開発における長年の経験から導き出した経験則を理論化した法則の一つである。

氏は主な理由として、新規に投入した人員が戦力化するには時間がかかること、人員が増えると一人ひとりにとって協力、調整する相手の数が増え、コミュニケーションにかかる時間、労力が増えること、タスクの分解には限度があり、人数が増えれば増えるほど全員に同じだけ作業を振り分けるのは困難になることの3つを挙げている。

この問題は、大きなプロジェクトを全体で運営するのではなく、小さなサブプロジェクトに分けて一つのチームの人数を減らすことである程度緩和することができるとされる。ソフトウェア開発以外の分野でも、新規の参加者が状況の把握や習熟に時間がかかる分野、作業の分解が難しい分野では同じ法則が成り立つ。

(2023.10.18更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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