オブジェクト 【object】 obj

概要

オブジェクト(object)とは、物、物体、目標物、対象、目的語、客体、などの意味を持つ英単語。

コンピュータ上で操作や処理の対象となる何らかの実体のことをオブジェクトという。例えば、操作画面上でアイコンなどの形で表示されるデータ集合や操作要素、図形描画ソフトで画面上に配置した個々の図形、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)で空間に配置した立体などが該当する。

オブジェクトコード

コンピュータプログラムの形式の一つで、コンピュータ(のCPU)が直に解釈・実行できる記述形式(機械語/マシン語)によって構成されているものをオブジェクトコードobject code)という。

一般的に、人間が理解しやすいプログラミング言語で書かれたソースコードsource code)を、専用のソフトウェアによって自動的に翻訳(変換)した結果得られるコードであり、ここでいう “object” は「モノ」ではなく「目的」という意味である。また、オブジェクトコードを格納したファイルオブジェクトファイルという。

オブジェクト指向

コンピュータプログラム設計実装についての考え方の一つで、互いに密接に関連するデータと手続き(処理手順)をオブジェクトと呼ばれる一つのまとまりとして定義し、様々なオブジェクトを組み合わせて関連性や相互作用を記述していくことによりシステム全体を構築していく手法をオブジェクト指向object oriented)という。

オブジェクトにはそれぞれ固有のデータ属性/プロパティ)と手続き(メソッド)があり、外部からのメッセージを受けてメソッド実行し、データを操作する。オブジェクトに付随するデータの操作は原則としてすべてオブジェクト中のメソッドによって行われる。オブジェクトを定義する雛形クラスclass)、クラスに基づいてプログラム実行時コンピュータメモリ上に展開されたオブジェクトのことをインスタンスinstance)と言うが、実際上はインスタンスのことを指してオブジェクトと呼ぶことも多い。

オブジェクト指向の考え方をプログラミングに応用した手法をオブジェクト指向プログラミングOOP)、プログラミング言語の仕様や機能に反映したものをオブジェクト指向プログラミング言語オブジェクト指向言語)などという。

(2018.6.19更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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