読み方 : みつけつごう
密結合【tight coupling】
概要

密結合な設計では、各要素が互いの内部構造や実装の詳細に深く依存しているため、一部を変更すると他の要素にも広範囲に影響が及びやすい。開発時の分業や責任範囲の明確化が難しく、障害が発生した際も原因の特定や影響範囲の把握に手間がかかる。
一方、密結合な構成は要素間の通信や連携のために必要な手間(オーバーヘッド)が小さいため、処理性能を高めやすくリソース効率の面で有利に働く。高い処理効率やリアルタイム性が求められるシステムでは、あえて密結合な構成が採用されることも少なくない。
ハードウェアの分野では、複数のプロセッサがメインメモリ(主記憶装置)を共有し、単一のオペレーティングシステム(OS)のもとで密接に連携して動作するシステムを「密結合マルチプロセッサ」という。プロセッサ間で高速なデータ交換ができる反面、一つのプロセッサの障害がシステム全体に波及するリスクを伴う。
ソフトウェア開発では、モジュールやクラス同士が互いの内部データ構造を直接参照したり、特定の実装に依存した呼び出しを行ったりする設計が密結合となる。こうした構造はコードの再利用性や拡張性を損なう要因となる。近年の大規模システム開発では保守性や拡張性を重視して疎結合な設計が推奨される傾向にあり、APIなどのインタフェースを介して要素間を繋ぐ設計や、マイクロサービスアーキテクチャなどもその考え方に基づいている。密結合と疎結合のいずれが適切かは、システムの規模や用途、変更頻度などによって異なる。
(2026.6.5更新)