アスキーアート 【ASCII art】 AA
概要
アスキーアート(ASCII art)とは、コンピュータの画面上に文字を縦横に並べて絵に見立てたもの。広義には横に数文字を並べて顔に見立てた顔文字など様々な形態のものを含むが、狭義には日本で2000年代前半にインターネット上の電子掲示板などで流行した、キャラクターなどを文字の組み合わせで表現したものを指すことが多い。ASCII(アスキー)は世界で標準的に用いられる文字コードの規格で、日本では半角英数字として知られる、ラテンアルファベットや数字、空白文字、改行文字、記号文字などで構成される。欧米で “ASCII art” という場合はこの範囲内の文字を並べて絵のように表現したものを指す。
絵画や写真、ロゴマーク等に似せて作られた比較的大判な作品が一般的で、機種やフォントなどの環境に依らず同じように表示できるよう、等幅フォント(固定幅フォント)を前提に作成されることが多い。
日本におけるアスキーアート
日本では広義にはコンピュータ上の文字を並べた絵や図など全般を指すが、狭義には匿名掲示板の「2ちゃんねる」を中心に広まった、日本語フォントの全角文字(主に記号文字や罫線、ギリシャ文字、キリル文字)とアスキー文字を組み合わせたキャラクターなどの絵を指す。
これらはWindows上のInternet Explorerで2ちゃんねる掲示板のWebページを表示したときに正しく表示されるよう構成されているため、MS Pゴシックの12ポイント(16ピクセル)、行間2ピクセルの設定でなければ表示がずれたり崩れてしまう。
2ちゃんねるでは欧米のアスキーアートのように数十行に渡り人物の肖像や著名なキャラクターを再現した作品が投稿されたほか、「モナー」をはじめとする作者不詳のオリジナルのキャラクター群も生まれ、様々な投稿者によって漫画のような連作の書き込みが行われ、人気を博した。
このような日本語フォントによるアスキーアートは日本国外の一般的なコンピュータ環境では作成・表示することができず、使用される文字もASCIIコードの範疇から外れている。英語圏では “ASCII art” の一部とはみなされず、著名な日本語文字コードの名称から “Shift_JIS art” (SJIS art)などと呼ばれる。